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Visa テーマ解説インタビュー

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昨年、総合優勝チームを輩出したVisa。今年のテーマは「Uplift」「サステナブル」というキーワードが重要になってきそうだ。Visaのロゴはよく見るが、Visaが社会にどのような影響を与えているのかは意外と知らない方も多いだろう。スケールの大きなアイデアを出していくためにも必見のインタビューをお届けする。(取材:羽田啓一郎)

お話を伺った方

松本 直久さん

高校時代は理系だったが、大学受験当日、数学の問題が解けなかったことがきっかけで、文転。浪人時代、勉強の傍らで新聞を読むことが毎日の日課となり社会問題に関心を持つようになったことから、社会の仕組みを司る法学部への進学を決めた。大学卒業後は銀行や外資系金融で働いたのちにVisaへ。

谷島 秀一さん

父親の仕事が地方の旧特定郵便局(郵政民営化以前に存在した郵便局の分類のひとつ)で、自分もその仕事を継ぐと思い、金融や経済、社会の仕組みを学ぼうと大学では政治経済学科に進学。金融のゼミに入って勉強をするうちに、民間の金融機関である銀行への就職を希望するようになる。当初継いでくれると思っていた両親も最初は反対していたものの、仕事や人生についてじっくり話し合う機会をつくり、最終的には納得、応援してくれるようになった。

2022年度大会総合優勝はVisa代表チームだった

ー本日はインタビューよろしくお願いします。昨年度大会ではVisaの代表チームが総合優勝を果たしましたね。昨年度大会を振り返っていかがでしたか?

松本:高校生の熱量がすごいと思いました。特に準決勝では皆さんの熱量に応えなくては、と我々も本気で審査したので、へとへとになりましたね(笑)。それぞれのチームが自分たちの言葉で素晴らしいアイデアを伝えてくれて本当に素晴らしいなと感じました。

谷島:最終的に我々はUrbanistを代表チームに選んだのですが、準決勝大会の一つ前、プレゼン動画審査時には実は他にも評価が高いチームがあったんです。でも、Urbanistはプレゼン動画審査から準決勝大会までの伸びしろがすごかった。特に質疑応答の時は圧巻でした。

松本:後から聞いたのですが、彼女たちはもともと自分たちがやりたいテーマがあって、そのビジョンに合う企業テーマがVisaだったという理由で我々を選んだそうです。だから自分たちであらゆる観点から考えていて、質疑応答の時もしっかり受け答えできていたのでしょう。しっかり準備をして臨んだプレゼンテーションでも、決勝大会の厳しい質疑応答には対応するには、自分たちの「やりたいテーマ」に対する熱い想いをぶつけられるパワーが必要なのではないか。彼女たちならきっと対応できるだろうという期待感が大きかった。そして決勝大会で見事総合優勝を果たしてくれたのは、本当に嬉しかったですね。

ーありがとうございます。では今年マイナビキャリア甲子園に参加する高校生に向けて、改めてVisaについて教えていただけますか?

松本:Visaはクレジットカードを発行している会社だと思われている方も多いのですが、実はカードは一枚も発行していません。私たちは、安心・安全な決済ネットワークで世界を結び、お店や企業、そして消費者の皆さんが世界中でVisaの決済を利用することを可能にしているのです。

谷島:つまり、Visaはカード会社ではなくネットワークの会社なんです。世界最大のペイメントネットワークの一つとして、世界200以上の国と地域におけるデジタル決済を通して、消費者、加盟店、金融機関、企業などを結ぶ役割を果たしています。

ー今年のテーマにも「Visaデビット」が入っています。Visaデビットについても教えてください。

松本:クレジットカードは18歳にならないと使えませんが、Visaデビットであれば銀行口座さえ持っていれば15歳以上の方でも申込可能*です(*発行会社による)。クレジットカードを使って買い物をすると、そのお金は後で請求されるため、使い過ぎてしまうのではないか、という不安を持つ方もいらっしゃいます。ところがVisaデビットで支払うと、そのカードに紐づいた銀行口座からすぐその場で引き落とされます。口座にあるお金分しか使えないので、使いすぎるということはありません。

谷島:Visaデビットならいつ何をいくらで買ったかが自動で残り、スマートフォンなどでチェックすることができます。だからお小遣い帳より便利に管理できるのです。使いすぎないようにVisaデビットで使える金額に制限を加えることもできます。現金だと財布を無くしたらそれで終わりですが、Visaデビットの場合は紛失・盗難などで不正利用された場合も補償*があるから安心です(*詳しい適用条件等については、発行会社にご確認ください)。Visaデビットはキャッシュレスを気軽に始める最初のステップとして高校生の皆さんにもおすすめなんですよ。

今年のVisaのテーマに込めた思いとは?

ーVisaが全世界を決済ネットワークで繋ぎ、世界中の決済をサポートしていること、そしてVisaデビットの特徴を理解することが大切ですね。さて、今年のテーマにはサステナブルな循環型社会、という言葉が使われています。これは環境問題に配慮するアイデアを、ということでしょうか?

谷島:「サステナブル」や「循環型社会」と聞くとまず環境保全のことを連想される方も多いと思いますが、それだけだと発想の範囲が狭くなってしまいます。環境のことだけではなく、社会全体で価値が循環してみんなが持続可能になるアイデアを考えてみてください。先ほどもお話ししましたが、Visaはネットワークで企業や店舗と消費者を決済という手段で繋いでいます。実はVisaのビジネス自体があらゆる人々を繋ぐ循環型モデルなのです。

松本:もちろん、デビットカードやクレジットカードの決済が広がり、キャッシュレスな世の中になれば環境にも優しいと言えるかもしれません。紙幣や硬貨を作るための資源を減らせるし、現金輸送車が排出するCO2も減るでしょう。でもそうした環境面への配慮だけでなく、社会全体を巻き込んだ様々な価値を循環させていくイメージを持ってほしいですね。ビジネスは、買う方にも売る方にも双方にメリットがないと持続しません。一方的な力関係が働くようなビジネスではサステナブルではないのです。

ーテーマに入っている「Uplift」という言葉が気になります。これはどういう意味なのでしょう?

谷島:日本語での直訳は難しくいろいろな解釈がありますが、わかりやすくいえば“引き上げる”という意味ですね。生活が豊かになったり、楽しくなったり、昨日より今日、今日より明日、もっともっと良くなる、良くするという考え方です。

松本:Visaではこの「Uplift」という考えを大切にしています。決済とネットワークで「売る」「買う」行為が変化すると、生活をもっとUpliftすることができます。たとえば、フリマアプリというサービスはキャッシュレス決済がなかったらここまで普及しなかった。スマートフォン上で決済ができるから、出品者と商品と購買者をつなぐことが可能になり、新たな市場が生まれたのだと思います。

谷島:キャッシュレスの手段は様々ありますが、その中でも日常生活で利用が進む Visaデビットは、 Visaのタッチ決済の普及とともに利用が伸びており、Visaの対面利用の約2件に1件がタッチ決済で行われています(2023年6月末現在)。Visaのタッチ決済は、コンビニ・スーパーなどの日常的な少額の買い物時にも手間暇かけずスピーディでスムーズ、気軽に使用できるので普及したのでしょう。最近だと、電車やバスなどの公共交通機関もタッチ決済で利用できる仕組みが広がっています。

松本:Visaのタッチ決済が使える改札機はニューヨークやロンドンなど、海外では先に広がっています。この利点はなんといっても海外で電車に乗る時の利便性。これまでは現地の硬貨で現地の切符を買わないと電車に乗れませんでしたが、これからは普段使っているVisaデビットやクレジットカードで海外でも電車に乗ることができるんですよ。

マイナビキャリア甲子園、Visaテーマ攻略のポイント

ーそれでは今年のVisaのテーマに取り組む高校生に意識してほしいポイントを教えてください。

谷島:狭い範囲で考えてしまうと限定的なアイデアになってしまいます。私たちVisaの「決済」や「ネットワーク」はアイデアに取り入れていただきたいですね。あとは大きな視点と身近な問題意識、両方の視点を持ってみてください。大人だと問題だと思っていないかもしれない、高校生視点の問題意識を大切にして、そこから社会を巻き込むようなスケールの大きな提案を期待しています。

松本:ただ、アイデアが壮大でも実現性が乏しいとなかなか評価しづらいと思います。昨年、総合優勝したUrbanistは夢物語なのでは?と一見思えるような壮大さと自分たちで行った調査やアンケートで検証した実現性が、高いレベルで両立されていました。彼女たちは自分たちのアイデアを実現することに貪欲でしたね。決勝大会に向けて、私たちへ質問や相談をしてどんどん情報収集をしていました。

谷島:私たちは彼女たちのアイデアを大切にしたかったので、アイデアそのものにアドバイスはしなかったのですが、どうすればもっと伝わるかや、彼女たちが知りたかった情報などは求められれば提供していました。皆さんも臆することなく、うまく大人の力を利用しながら良いアイデアを生み出していって欲しいですね。

松本:Visa自体がグローバル視点ですから、スコープは小さくせずに大風呂敷を広げるといいと思います。地球上の一部でしか使えないような仕組みではなく、志を高く社会全体を変えていくような発想を持ってほしいですね。若い皆さんの、社会をUpliftしていくようなアイデアに期待しています。

*昨年優勝チーム「Urbanist」のプレゼンは下の画像をクリックすると見ることができます。

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