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TIS テーマ解説インタビュー

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マイナビキャリア甲子園に今年初めてテーマを出題するTIS。その社名を聞く機会は少ないかもしれない。しかし私たちの生活そのものをITで支える企業だ。そんなTISが設定したテーマは「ヘルスケア」。ITという世界を理解しながら、これからのヘルスケアを自由に創造してみよう。(取材:羽田啓一郎)

お話を伺った方

山澤 美加子さん
大学在学時に社会でITが広がっていくのを感じていく中で、文系を専攻していた自身でも技術者になれることを知りIT業界で働くことを決意。ITエンジニアとして勤務した後、現在は人事として活躍中。

菊地 弘晃さん
高校生の時にスマートフォンが普及し始め、世の中を動かしていく可能性を感じてものづくりに興味を持つ。大学は理工学部に進学し、企業と共同研究を経験した。TISでは人事の仕事として新卒採用をメインに担当。

TISとは何をやっている会社なのか?

ー今日はよろしくお願いいたします。まずTISとはどういう会社なのかを教えてください。IT企業といってもいろいろな種類のIT企業がありますよね。

山澤:TISはIT業界の中でも「システムインテグレーター」という呼び方をされるIT企業です。一言でご説明すると、ITを使ってお客様の課題を解決する仕事です。高校生のみなさんが想像しやすい例として、TISが得意としている「キャッシュレス」を挙げられればと思いますが、皆さんも電車やバスの定期をICカードにしている方もいますよね。お店でお買い物をする時に「〇〇ペイ」というQRコード決済を使ったことがある人もいるでしょう。こうした現金を使わない決済方法の裏にはシステムが動いていて、TISはそういったシステムを作っています。

菊地:今お話ししたキャッシュレスはTISが自信を持っている領域の一つで「金融包摂」と言っていますが、ITを通じて課題解決に取り組むテーマとしては他にも「健康問題」「都市への集中・地方の衰退」「低・脱炭素化」があります。私たちTISはこの4つの社会課題をITの力でより良い社会にしていくことを軸としています。

ーIT企業ということは、働いている人は理系やプログラミングが得意な方が多いのでしょうか?

山澤:いえ、決してそんなことはありません。当社の社員は約半数は文系出身ですし、学生時代にプログラミングが得意である必要はありません。ITが扱う世界は広大なので、バックグラウンドや得意分野が異なるさまざまな人が活躍できるのです。理系やプログラミングの知識の前に、世の中を新しい方向に動かそうという意思を持つ気持ちが大切です。

菊地:私たちTISは、グループ全体で「OUR PHILOSOPHY」という基本理念を掲げています。「デジタル技術を駆使したムーバーとして、未来の景色に鮮やかな彩りをつける」をミッションとし、新しい価値を次々と生み出し、新しい可能性や選択肢を用意することが私たちの存在意義であり、果たすべき社会的役割であると位置付けています。社会課題の解決や、社会、経済への新たな価値創造に繋がり、未来をより鮮やかなものにしていく。それがTIS社員の目指す姿です。

TISがITで目指すヘルスケアの世界

ーありがとうございます。さまざまな社会課題の中で、TISが今年マイナビキャリア甲子園で出題したテーマは「ヘルスケア」です。なぜヘルスケアをテーマに設定したのか教えていただけますか?

山澤:TISは、2025年に開催が予定されている「日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の「大阪ヘルスケアパビリオン」に協賛しています。この大阪ヘルスケアパビリオンでは「未来のヘルスケア体験」や「ミライの医療」などヘルスケアを重要テーマにしているのですが、TISはITでこの展示をサポートします。そこで、今回マイナビキャリア甲子園でも、デジタル技術を使った“未来の医療・健康サービス”のアイデアを考えていただこうと思ったのです。医療・ヘルスケアの問題を高齢者だけのものにせず、あらゆる年代、属性の人が健康に安心して暮らせるようにどんなことがITで実現出来たらよいか、是非若い皆さんの目線でアイデアをいただけたらと思います。

ー万博に協賛されるということは世界に伝えていけるチャンスですね。現在、医療・ヘルスケアにITはどのように活用されているのでしょうか?

菊地:当社は「ヘルスケアプラットフォーム」というサービスを展開しています。これは生活者と医療機関やヘルスケアサービスを、連携して繋ぐITサービスです。皆さんは病院にかかったり、健康診断を受けたり、自分で体重を記録したりすることもあるかと思いますが、そのデータは医療機関同士で共有されることはありません。でも本当は、こういった情報が連携されると、単独の情報ではわからなかった健康問題に気付く事ができたり、より本人にとって最適な医療を受けることが出来ます。

山澤:病院での診察情報をはじめ、個人の健康に関する情報を個人がアクセス可能な状態に整え、1か所に集約したものをPHR(パーソナルヘルスケアレコード)というのですが、このPHRを生活者の意思に応じて医療機関等で開示出来る仕組み、これがTISの「ヘルスケアプラットフォーム」です。これにより、例えば地域の医療機関が連携してあたかも「一つの大病院」のように機能したり、通院が難しい人でも遠隔で診療記録や健康情報を見てもらったり、病気のない時でも更に健康増進を図るアドバイスをもらう、といったサービスが実現できると考えています。

ーそれは社会全体に大きなインパクトがありそうですね。しかし実現に向けては課題も多そうです。

菊地:そうですね、日本全国の医療機関や自治体、そして私たち生活者などあらゆる人たちがこの「ヘルスケアプラットフォーム」を活用してくれるように普及していくことが、現在の課題です。また、「ヘルスケアプラットフォーム」以外にも、人々の健康づくり、医療をもっとサポート出来るサービスのアイデアがないかということも継続的に考えています。さまざまなデータがあるのにそれを活用しきれていないのが現状です。

TISのテーマに挑戦する高校生へのヒント

ーありがとうございます。高校生がTISのテーマを考える上でのヒントや考え方はありますか?

山澤:ヘルスケアというと病院や高齢者の問題が想定されるかと思います。もちろんそういった観点でのアイデアも大歓迎ですが、まずは「高校生にとってのヘルスケアとは?」という視点を持ってみてほしいですね。私たちTISにとって「高校生に必要なヘルスケア」というアイデアがなかなか出せないのです。この領域をビジネスとして手掛けていると、発想のしがらみを無意識で持ってしまっており、アイデアの幅を狭めている可能性もある。だからこそ、ITもヘルスケアもまだ詳しく知らない皆さんに考えてほしいのです。できるできない、正しい正しくないは気にしないでまっさらな気持ちで考えてもらいたいですね。

菊地:当社が所属するTISインテックグループのテレビCMでは魔人がITで社会の願いを叶える様子を描いていますが、ITは本当に魔法のようなものですよね。インターネットを使い、携帯電話やスマートフォンを使い、ICカードで電車に乗り、レストランではロボットが食事を運ぶ。こんなこと、昔の人が見たらありえないこと、魔法のように見えるでしょう。そしてきっとこれからも、今の私たちには想像もつかないようなことが未来には実現しているはずです。その源泉になるのは、「こんなことが出来たらいいのに」というアイデアに他なりません。今の技術で出来るのかは重要ではありません。アイデアのきっかけは「ITでこんなことが出来たらいいのに」という思いつきでも構わないので自由に考えてみてほしいですね。

ーありがとうございます。それでは最後に、人生の先輩として高校生にメッセージをお願いできますか?

菊地:多くの高校生は学校と家という二つのコミュニティで毎日を過ごされていると思うのですが、それ以外の第三のコミュニティを持っておくといいかなと思います。幅広く世界を広く知ったうえで進路選択をするとあとから後悔することも少なくなりますよ。

山澤:「計画的偶発性」という言葉があるのですが、私たちの人生は偶然の連続でできています。だから高校生の時にこれ!と決めないでいいし、迷っていいんです。今はあらゆることに興味を持って勉強して自分の得意分野を作ってほしいですね。わたしたちIT企業にはいろいろな人がいるので、多くの可能性があります。皆さんの将来の選択肢の一つとして、是非IT業界にも興味を持ってみてください。

 

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