生命保険協会テーマ解説インタビュー


 

2020年度大会ではニコ生賞受賞チームを輩出した生命保険協会が今年提示したテーマは「生命保険会社が提供する安心」。変化の激しい現代にぴったりの、想像力が刺激されるテーマだ。ただ、高校生にとって「生命保険」は決して身近なサービスではない。生命保険とはどんなサービスなのか?そしてキャリア甲子園のテーマに込めた想いとは?生命保険会社の業界団体である生命保険協会の加藤さんと松浦さんにお話を伺ってきた。

お話を伺った方

一般社団法人 生命保険協会 総合調整担当部長 加藤 康平さん

新潟県出身。これから社会人になるうえで必要となるのは法律の知識ではないかと考え、法学部に進学。大学卒業後は大手生命保険会社に就職し、営業支援やコンプライアンスの仕事を担当。また厚生労働省に出向し、介護保険制度改正などの業務も経験。その後、経営企画部門で中期経営計画に携わった後、現在は生命保険協会に出向し、金融庁などの各省庁や生命保険会社各社等、協会内外におけるパイプ役を務め、各種意見の調整などを担当。

一般社団法人 生命保険協会 企画部 企画グループ 主任 松浦 健人さん

徳島県出身。社会の基礎は法律であり、どんな職業についてもその知識を活用できると考え、大学では法学部に進学。大学卒業後、大手生命保険会社に就職し、営業やお客様向けの募集資料の作成などの仕事を担当。2020年4月から生命保険協会に転職し、SDGs(持続可能な開発目標)や高齢社会などの生命保険業界と親和性の高い課題への業界対応の検討、保険教育の推進などを担当。

 

意外と知らない?生命保険の仕組みとは?

加藤 康平

生命保険協会の加藤 康平さん


ー今日はどうぞよろしくお願いいたします。キャリア甲子園2021のテーマについてお聞きしたいのですが、まずそもそも生命保険の仕組みについて教えてください。

加藤さん:なかなか高校生には馴染みがないかもしれませんが、生命保険とは簡単に言えばお客様の「安心」のためにあるサービスです。私たちが日常生活を送っているとさまざまなトラブル・アクシデントが起こりますし、巻き込まれる可能性もあります。その「何かあったとき」に備えるのが「保険」ですが、一口に「保険」といっても、実に多くの種類があります。

松浦さん:その保険の中でも、「生命保険」は病気やケガ、死亡などのアクシデントによって、自分や家族の生活が経済的に困難にならないよう、お金を受け取れるように備えるための仕組みであり、いわば「人」に関わる保障を提供する商品です。

ー生命保険で特徴的な「相互扶助」について教えてください。

加藤さん:相互扶助とは生命保険の加入者全員がお互いのために助け合う、という考え方です。例えば病気で亡くなってしまった大黒柱のAさんにご家族がいらっしゃった場合、そのご家族が今後生活していくためにはどうすればよいでしょうか。もしAさんが生命保険に入っていたら、Aさんのご家族には生命保険の保険金が支払われ、金銭的にはこれまで通りの生活を送ることができるかもしれません。この保険金は生命保険の加入者全員が負担している保険料が元になっています。このように、加入者全員で支え合う、これが相互扶助の精神です。

松浦さん:高校生の皆さんも「株式会社」という言葉を聞いたことがあるかと思います。また、生命保険会社には、株式会社という会社形態の他に、保険契約者一人ひとりが会社の持ち主である「相互会社」という会社形態をとっている会社もあります。これは日本では保険会社だけに許された会社形態です。生命保険会社はどちらの会社形態であっても、相互扶助の精神の元で事業を行っています。

加藤さん:一人ひとりが保険料を拠出し、多くの人とリスクをシェアし、万が一のことがあった人を助ける。これが「相互扶助」の精神であり、生命保険の主な特徴です。

生命保険協会のテーマに込められた想い

松浦 健人

生命保険協会の松浦 健人さん


ー相互扶助の考え方はキャリア甲子園の生命保険協会のテーマでも重要なポイントになりそうですね。ではキャリア甲子園2021で出題されたテーマに込められた想いについて教えてください。

加藤さん:これまで生命保険会社は、亡くなった時や病気の時など様々なリスクに備える保険を開発して、もしもの時に保険金をお支払いすることで、お客様に「安心」を提供してきました。そのような中で、今、社会全体で大きな変化が起きています。

松浦さん:我が国では、少子高齢化、人口減少、働き方の多様化、デジタライゼーション等、大きな変化が起きており、また足元では、新型コロナウイルス感染症という未曾有の災禍が日本を含む全世界に拡大したことで、私たちの日常生活に大きな変化を起こしました。

加藤さん:このような社会の変化に伴って、これまで生命保険会社が提供してきた「もしもの時の安心」以外にも、新たに安心を提供できるチャンスが広がってきています。つまり、「生命保険会社が提供する安心」とは何かを再定義する必要が出てきていると考えています。

ーまさにキャリア甲子園2021のテーマ「Re:creation」ですね。実際、生命保険業界で起きている変化はありますか?

松浦さん:社会の変化とともにお客様ニーズも多様化する中で、生命保険各社は創意工夫してオリジナルの商品やサービスをお客様に提供しています。例を出すと、保険の契約期間は一生涯や数十年と長期にわたるものが一般的だったのに対して、少額短期保険という仕組みを使い、契約期間が3カ月と短期で必要な時に加入できる商品を提供したり、亡くなった時や病気の時などに備える保険が一般的だったのに対して、健康増進の支援を行うサービスを提供するなど、新しい取組みが出てきました。それらは時代のニーズを踏まえた新しい商品と言えるかと思います。

加藤さん:不確実な時代と言われる現代においては、私たち一人ひとりが自ら考え、将来に備える必要がありますが、そのためには金融の知識を身につけることが重要です。そこで、多くの方に保険に関心を持っていただく機会を提供できるように、金融リテラシー教育にも取り組んでいます。生命保険は社会保障制度とも関連しているため、生命保険の役割を若いうちから理解いただく必要があります。ただ、若いうちはリスクなどについては考えたくもないし堅いイメージもありますよね。でも、だからこそ、わかりやすくて面白い動画教材などを用意して若い方にも受け入れていただきやすい形で、金融教育を進めていく予定です。

 

キャリア甲子園攻略のヒント


ー今の金融リテラシー教育のお話も「新しい安心」と言える取り組みですが、今回のキャリア甲子園では「生命」や「健康」に拘らなくて良いのでしょうか?

加藤さん:はい、生命保険会社が提供するサービスであって、人々の「安心」を再定義するものであれば、生命や健康などの身体に関わるものに拘らなくても構いません。人生100年時代、不確実の時代と言われている現代社会で人々が抱く不安やリスクをサポートできれば、どんなアイデアでも歓迎したいと思います。商品でもいいしサービスでもいい。生命保険はもしもの時に「お金(保険金)」をお支払いする仕組みですが、お金以外を提供する新たな仕組みを考えていただいてもかまいません。

松浦さん:皆さんの身近なことから考えてみてほしいですね。例えば私の話ですが、去年子供が生まれてちょうど1歳になりました。でも育児って分からないことだらけで、育児について最近不安を感じることが多くて。男性の育児参画など世の中の風潮、仕組みも変化しています。時代が変われば不安も変わる。ぜひ皆さんの等身大の感覚で「新しい安心」を考えてみてください。

加藤さん:生命保険会社が持っている経営リソースを使って何ができるかを考えてみるといいかもしれません。生命保険会社の中には営業職員が全国各地にたくさんいる会社もあります。この職員たちのネットワークを使ってどんなことができるか?他にも保険会社ってどういう取り組みを行っているんだろう、ということを調べてみてください。

加藤さん:例えば、これまでの生命保険会社は「生命保険商品」を手段として「もしもの時の安心」を提供してきました。しかし、これからの生命保険会社は「●●●●●●」を手段として「★★★★★★の安心」を提供していくべきである、といった形で再定義してみると、考えやすいと思います。

ーありがとうございます。では最後に、キャリア甲子園に挑戦する高校生の皆さんにメッセージをお願いいたします。

加藤さん:生命保険は、相互扶助という考え方をベースにしており、また、社会貢献度が高い仕組みでもあります。人は安心を力に変えることで、新たな挑戦をすることができます。サステナブルな観点でみると、従来の生命保険の機能だけでは対応できない時代になってきており、高校生の皆さんが感じているニーズ、想いがこもった提案を期待したいですね。

松浦さん:チームのみんなでしっかり議論してトライアンドエラーに挑戦してほしいですね。0から1を生み出すのは難しいことですがビジネスの世界そのものでもあります。私たち社会人も自分一人ではアイデアも限られてしまいますが、同僚、取引先、行政、時にはお客様からも広く協力いただきながらやっています。チームメンバーだけではなく友達や保護者、先生などあらゆる人と話して情報を拾い上げてください。その上で今までの固定概念を外してアイデアを出してほしいです。

加藤さん:そうですね、キャリア甲子園の体験は、会社の経営企画部門や商品開発部門の擬似体験をしているようなものです。大変だと思いますが、とてもやりがいがある挑戦だと思うので、楽しんでやってほしいですね。皆さんからのアイデア、とても楽しみにしています。

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