コロナ禍で世界中が混乱を極めている中、キャリア甲子園2020にいち早く参加を名乗り出た東京電力。「Breakthrough」の大会テーマのもとに東京電力が出したテーマは、災害に対する「防災・減災」。
まさに私たち全員がこれから意識していかなくてはならないテーマを設定した東京電力の思いを聞いた。

お話を伺った方

東京電力ホールディングス株式会社 渉外・広報ユニット 広報室  宮城 淳哉さん

沖縄県出身。高校時代はものづくりに興味があったことから理系を選択し、将来の選択肢を広げるため電気工学の道に進んだ後、専門性を高めるため琉球大学大学院へ進学。
東京電力入社後は火力発電所の運転や建設、営業や新規事業の業務を幅広く経験。2019年より現職。

不確実性の高い今の社会だからこそ、自分たちの手で未来をつくってほしい

ーまず、今回のテーマを選定した理由を教えてください。

私たち東京電力は1951年の設立以降、70年近くにわたり東京を含む関東圏を中心に電気の安定供給を担うべく、皆さまの暮らしや経済活動に欠かせない電気をお届けしてきました。しかし、現在、社会を取り巻く環境は大きく変化し、地球温暖化、自然災害の激甚化などの課題に直面しています。そこで、既存の電気の安定供給という枠をこえて社会の皆さまのお役に立つために、私たちは災害に対する「防災・減災」に着目しています。

ーどうして「防災・減災」にターゲットをおいたのでしょうか?

災害とは、暴風、豪雨、地震などの自然災害だけでなく、火災や交通事故などの人為的災害も指し、これらはいつどこでも身近に起こりうるものです。日本でも、自然災害が毎年のように起きており、その被害は厳しくなる傾向にあります。このような中、災害による被害を抑える事前の備えや起こった後の収束に向けての対策が重要性を増しています。さらに、コロナ禍という未知のリスクも発生していることから、社会の災害に対する関心は高まっていると思います。そこで、キャリア甲子園に参加される高校生の皆さんに、「防災・減災」という視点から、社会へ新たな価値を提供するサービスを考えることにチャレンジしてもらいたいと思いました。

ー災害は日本にとって重要なテーマだと感じます。

そうですね、日本は台風や豪雨が多い気象、地震や火山活動が活発に起こる地質、これらに急峻な地形が加わることで洪水や土砂災害が発生しやすい国土となっており、災害は日本人にとって身近な問題です。また、近い将来に巨大地震が起きる可能性が高いとも言われています。その中で、今年世界中で感染拡大したコロナ禍は複合災害といえるでしょう。災害は、いつ起こるかわからないのです。

そんな災害を一因とした不確実性の高い今の社会だからこそ、自分たちの手で安心して快適に暮らせるまちづくり、災害に強いまちづくりをデザインしてほしい、そんな思いを込めてテーマ設定しました。

「防災・減災」にかける東京電力の思いとは?


ーテーマを考えるにあたっていくつか教えてください。東京電力の強みはなんだと思いますか?

私たち東京電力は、災害対策基本法上、政府から指定公共機関に指定されています。これは、公益的事業を営む法人のうち、特に重要な役割を果たす機関であることを指しています。その責任を果たすため、何十年にもわたり継続してきた電気の安定供給や、事故・災害時の停電の復旧活動で培ってきた人材・組織力を持っています。他にも、大規模な災害時には、被害を受けた地域の電力会社に全国の電力会社が停電の早期復旧へ向けた応援をおこなったり、自治体や自衛隊などと協力できることが私たちの強みだと思います。

ー意外です。電力自由化で競争していてもお互いに応援があるのですか

電気は暮らしや経済活動に必要不可欠であり、安定供給に私たちは責任を持っています。そのため、大規模災害で長期間停電が発生すれば、私たち電力会社は早期の停電復旧を目指しお互いに応援をおこないます。電気をしっかりとお届けし、これからも社会の暮らしや経済活動を支えていきたいと考えています。

ー公益事業を担う会社としての責任がある、ということですね・・・!

そうですね、電気を安定して送り届けること、事故や災害時の停電を早期に復旧することが、私たちの最大の社会的使命です。この使命を大前提とし、これからも社会のニーズに対して、私たちの強みを活かした商品・サービスを東京電力グループ一体となって提供していきたいと考えています。社会の皆さまのご期待にお応えし、「社会に必要とされる会社」であり続けるために努力を続けていきます。

キャリア甲子園に挑戦する高校生へのヒントは?


ー「防災・減災」について何か既に取り組まれているサービスはありますか?

関東圏を直撃した昨年の台風15号の影響により停電した地域において、電動車(EV・PHV)による電気の供給をおこないました。電動車は災害時に電気を取り出せる非常用のバッテリー電源として活用することができ、停電したご家庭、保育施設や介護施設などの電気製品やスマートフォンに給電することが可能であるなど、地域社会における「動く電池」と言えます。また、平常時には移動手段の一つとして普段使いできることから、フェーズフリーな価値を持っています。

ー東京電力のテーマに挑戦する高校生達はどんな点に注意すればいいですか?

自然災害に対する「防災・減災」のみならず、火災や交通事故などの人為的災害、さらには現状のコロナウイルスも災害と捉えた災害全般に対する「防災・減災」という広い視点で新たな価値・サービスの提案にチャレンジしてもらいたいと思っています。

例えば、現状のコロナ禍においては、新しい生活様式というワードを目にするようになりました。今はスマートフォンの普及により若い世代の皆さんを中心に新しい生活習慣が生まれたことで、SNS、動画配信サイト、代金支払いなど、さまざまなサービスが登場しています。同様に、コロナ禍における新しい生活様式が公表されたことで、ここから生まれる新たな生活習慣に対する「防災・減災」の観点がビジネスチャンスになるかもしれません。

ー必ずしもエネルギーにまつわることではなくてもいいのでしょうか?

はい、もちろんです。社会のニーズを踏まえたサービスを自由な発想で考えてみてください。その際、東京電力単独によるサービスではなく、お互いの持つ強みを活かしあう観点から、自治体、他企業、大学や研究機関との協業による新サービスを考えてみると発想が広がるかもしれません。

また、災害に対する備えの必要性が実感しづらいといった見方に対して、災害時のみに必要とされるサービスではなく平常時にも利用できるフェーズフリーなサービスや、複数人・複数企業や自治体などでシェアリングすることで導入へのハードルを下げるといった観点からサービスを考えてみてもおもしろいと思います。

まずは自分たちがほしいと思える身近なサービスから考えてみましょう

ーキャリア甲子園に挑戦する高校生に、どんな経験をしてもらいたいですか?

仲間と力を合わせて答えのない問いに挑戦し、できるだけ周囲の多くの声に耳を傾けつつ、自分たちなりの「答え」をまとめる経験をしていただきたいです。私も学生時代の研究活動や社会人になって新規事業に携わることになり、自分で「答え」を出さなくてはならない課題に挑戦しました。この時、周囲にサポートしてくれる指導者や仲間がいたことが大きな助けとなりました。これら取り組みの過程で得られる様々な経験は、将来、皆さんが社会に出た時に、きっと自分の心を支えてくれるはずです。是非楽しむ気持ちを忘れずキャリア甲子園に挑戦していただきたいと思います。

ーキャリア甲子園に挑戦する高校生にメッセージをお願いします。

一昨年、昨年と私たちはこれまで2回、キャリア甲子園に参加しました。毎回、皆さんの素晴らしい発想やアイデアには驚かされ、とてもワクワクしています。高校生の皆さんには、若い感性と自由な発想だけではなく、斬新で新たなサービスを考え出す力があると感じました。今回は、災害がいつどこでも起こりうるものであるという認識のもと、未然の備えや速やかな収束へ向けた「防災・減災」という視点で、安心で快適な災害に強いまちづくりに役立つサービスを提案していただきたいと思います。

ー壮大なスケールでどこから考え始めればいいかわからない生徒もいるかもしれません

あまり堅くならず、自由に発想してみてください。どうすれば自分たちがもっと安心・快適に生活することができるのか、という視点でスタートしてみてはいかがでしょうか。今のコロナ禍で感じたこと、これまで自然災害や人為的災害を経験したり見聞きしたりした時に感じたことを思い起こしながら、東京電力が是非取り組むべきと考えるサービスを提案していただきたいです。

皆さんの自由で斬新なアイデアを心よりお待ちしています。

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