東京電力テーマ解説インタビュー

昨年の大会で総合優勝チームを輩出した東京電力が今年のキャリア甲子園で出題したテーマが「カーボンニュートラル」だ。
「カーボンニュートラル」とは地球温暖化の要因である温室効果ガスを「全体としてゼロにする」ことを意味する。この言葉は最近注目を集めているので、見聞きしたことがある人も多いかもしれない。
ではなぜ、東京電力がカーボンニュートラルなのか。昨年からキャリア甲子園に関わってくださっている東京電力の宮城さんにお話を聞いてきた。

お話を伺った方

東京電力ホールディングス株式会社 渉外・広報ユニット 広報室 宮城 淳哉さん

沖縄県出身。高校時代はものづくりに興味があったことから理系を選択し、将来の選択肢を広げ、専門性を高めるため大学院まで進学。東京電力入社後は火力発電所の運転や建設、営業や新規事業の業務を幅広く経験。2019年より現在の広報業務を担当。

東京電力のテーマ、「カーボンニュートラル」とは何か

ー今年もどうぞよろしくお願いします。まずそもそもなのですが、カーボンニュートラルとは何を意味する言葉なのでしょうか?

カーボンニュートラルとは、「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ことです。
この「温室効果ガス」とは、大気中に増えすぎると必要以上に気温を上昇させるガスのことです。また、「全体としてゼロに」とは、温室効果ガスの排出を努力で減らしつつも、どうしてもゼロにすることができない排出の残り分を、植林などによる大気中からの吸収分で差し引きゼロにすることを意味します。つまり、排出量から吸収量などを差し引くことで合計をゼロにすることがカーボンニュートラルであり、これを目指しています。

ー最近、カーボンニュートラルという言葉はよく耳にするのですが、それはなぜなのでしょう?

地球温暖化の防止に向けた取り組みが世界で加速する中、昨年、政府は「2050年カーボンニュートラル」を表明しました。この目標は非常にチャレンジングであり、温室効果ガスの排出をより一層抑えるためにはみんなで取り組んでいく必要があります。ある特定の人達だけの取り組みではなく、日本全体を巻き込んでいく。だからテレビや新聞、雑誌などで目にする機会も多いのではないでしょうか。
そして、これはSDGsの目標である「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や「気候変動に具体的な対策を」にも関わってくることから、学校でのSDGsに関連した活動で見聞きする機会があったかもしれません。

ー日本全体で温室効果ガスの排出を抑える、とのことですが具体的にどれくらい抑えることを目指しているのですか?

2050年のゼロに向けて、2030年度の温室効果ガスの排出を2013年度比で46%削減することを目指し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続ける、となっていますね。

ー2030年というとそこまで遠い未来ではないですね・・・。

そうですね。でもこの高い目標を達成するためにカーボンニュートラルに向けた挑戦が日本全体で求められており、私たち東京電力も積極的な取り組みが期待されているのです。

なぜ、東京電力がカーボンニュートラルなのか

ーカーボンニュートラルが重要な取り組みであることはわかりました。しかし、どうして東京電力はキャリア甲子園2021でこのテーマにしたのかを教えていただけますでしょうか。

温室効果ガスの排出をより一層抑えるための取り組みが社会から求められています。国内最大のエネルギー会社である当社はこの社会ニーズに応えていくため、地球温暖化対策を重要な課題と位置づけ、カーボンニュートラルを軸としたビジネスモデルの変革を目指しています。
また、この課題の達成については、日本全体、つまり国・自治体・会社だけでなく私たち個人も一体となった取り組みが期待されています。なぜなら、私たち一人ひとりの生活や行動は、直接・間接的に温室効果ガスの排出に影響しているからです。この社会的課題に対して、次世代の主役である皆さんも一緒にチャレンジしてくれたらうれしいと思い、テーマ設定しています。

ー東京電力は電気やガスといったエネルギーの会社ですが、どうしてカーボンニュートラルを事業として取り組むのでしょうか?

今、SDGsをはじめとしてサステナブルな社会の実現に向けて世界中で取り組みがスタートしており、気候変動への対応として、日本全体もカーボンニュートラルに向けた挑戦が求められています。そして、温室効果ガスのうち、二酸化炭素を発電時に多く排出しているエネルギー会社が果たす役割は大きく、社会の皆さまから積極的な取り組みが期待されています。
この新しい社会ニーズに対しても、当社自身の課題として総力をあげて取り組んでいきます。

ーエネルギー会社を含めた日本の二酸化炭素の排出はどのようになっているのでしょうか?

計算の仕方にもよりますが、二酸化炭素に関する2019年データによると、エネルギー会社の発電で4.4億トン、飛行機・自動車・船舶などの運輸で2億トン、製造工場や建設などの産業で2.8億トン、家庭生活・会社オフィス・店舗などで1.1億トンと言われています。このように、発電といったエネルギーを作る側だけでなく、自動車・工場・家庭などの一般的にはエネルギーを使う側の両方で温室効果ガスは発生していますので、双方のさらなる排出削減に向けた取り組みが重要です。

ー排出削減に向けた取り組みとは、例えば風力発電のような再生可能エネルギーを増やしていく、ということでしょうか。

そうですね、それは一つの考え方です。風力発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギーがもっと増えれば、温室効果ガスの排出は減るでしょう。ただ今回キャリア甲子園で皆さんに考えていただきたいのは、そうした発電するための設備を増やしていくことや新しい発電方法、または温室効果ガスを排出しない新燃料の検討などといった発電に関する技術的な話ではありません。

カーボンニュートラルな社会を目指そう!キャリア甲子園のヒント


ー発電に関する技術的な話ではない、とのことですがキャリア甲子園で東京電力のテーマに取り組む高校生はどのようなことを考えればいいのでしょうか?

昨年、政府はカーボンニュートラルに伴い「グリーン成長戦略」を打ち出しました。これは2050年に温室効果ガスを実質ゼロにするために、どのようなプロセスを経るべきか、という計画をまとめたものです。その中でも言われているのですが、今回キャリア甲子園に参加する皆さんに考えていただきたいキーワードは「経済と環境の好循環」です。

ー「経済と環境の好循環」とは一体どういうことでしょうか?

先ほども話題に出ましたが、カーボンニュートラルは非常に高い目標です。これは、どこか特定の人達が一生懸命取り組めば達成できるようなものではなく、社会全体が関心を持ち、積極的に関わっていくことが求められています。ではどうするべきかというと、カーボンニュートラルな社会が、私たち生活者にとっても便利で暮らしやすく、嬉しいものでなければならない。カーボンニュートラルを実現するための施策や関連するサービス自体にメリットを感じてもらえれば、より多くの人がこの取り組みに関心を持ち、参加してくれると思います。

ー確かに、私も含めた一般の感覚ではカーボンニュートラルと言われてもピンときませんし、何かを我慢しなければならないのかなと考えてしまいがちです。

そうですね、電気を全く使わず、今の便利な生活を我慢しようみたいなことや、温室効果ガスを削減するための取り組みでコストが増えてしまう、といった発想だと、なかなかカーボンニュートラルに参加してもらうことは難しいでしょう。そうではなくて発想を転換し、カーボンニュートラルとは、社会がより発展し、自分達がより安心で快適な暮らしをおくるためのチャンスだ、と捉えていただくことが大切。これが「経済と環境の好循環」です。社会が発展し、自分たちの暮らしやすさも向上させ、環境へも配慮していく。これらが循環していくサービスをキャリア甲子園の高校生の皆さんにも考えていただきたいのです。

ー考え方のヒントとして、具体例などはありますか?

例えば、化石燃料を燃やして走る自動車を電気自動車にしたり、再生可能エネルギー由来の電気を積極的に使用することがあげられます。また、自宅の屋根に設置した太陽光発電を家庭内の電気に使うだけでなく、蓄電池や電気自動車に貯めておくことで、カーボンニュートラルの実現に貢献しながら、災害などで停電した際には貯めておいた電気を使用することができます。また、身近な例ですと、省エネルギーによって、電気を効率よく上手に使うことで間接的に温室効果ガスを減らしつつ、電気代もお得になります。
そして、クリーンな電気が増えていくこれからの世界をイメージして、新たなエネルギーの使い方を考えていくことが大切です。いままで化石燃料由来の電気や熱などのエネルギーを使って、「移動したり」、「温めたり」、「乾かしたり」してきたことや、人力でしか解決できなかったことを、クリーンな電気エネルギーに置き換えていく、つまりエネルギーを使う側の「電化」もカーボンニュートラルにつながる取り組みと言えるでしょう。

ーなるほど、その取り組みに参加することでお得感だったり何らかのメリットが享受できるような仕組みを考えていく、ということですね。

そうですね、温室効果ガスの排出を減らす取り組み自体ももちろん大切ですが、キャリア甲子園の皆さんには、もう一歩踏み込んでもらい、お客さまが喜ぶサービスとしても考えてほしいと思っています。まずは、ご家庭、日常生活といった身近なところで考えていただき、温室効果ガスが削減できるアイデアや、排出されたものを吸収・除去できるようなアイデアについて考えを巡らせてはいかがでしょうか。
さらには、社会や皆さんが日頃のくらしで困っていることを、再エネなどで発電したクリーンな電気を使うことで、カーボンニュートラルに貢献しながら、安全で快適な暮らしを実現できるサービス、という視点で考えてみると発想が広がるかもしれません。

ーカーボンニュートラルというと壮大で、どこか遠くの話に感じてしまっていましたが、身近なところでも貢献できるのですね。

家庭ゴミが減るだけで温室効果ガスは削減できますしね。なぜなら、ゴミの量が減れば、ゴミ収集車から排出されたり、焼却時に発生する温室効果ガスの量が減るからです。ポイントはそれを皆さんが喜んでやってもらえるような仕組みであったり、喜ばれるサービスとして考えていくこと。そうでなければサステナブルな取り組みにはなりませんからね。

ーありがとうございます、よく理解できました。では最後に、キャリア甲子園に挑戦する高校生の皆さんにメッセージをお願いします。

当社は今回で4回目の参加となりますが、毎回、皆さんの発想やアイデアには驚かされ、とてもワクワクしています。
昨年は、「ぐーふぉ」という男女3人チームを代表として選び、彼ら彼女らがキャリア甲子園2020で総合優勝しました。他にも素晴らしいチームがたくさんあった中で、私たちがぐーふぉを代表チームに選んだ理由は、プレゼンを聞いていて、非常に納得感というか腹落ち感があったからです。ではその納得感がどこから生まれたかというと、彼ら彼女らが専門家を含めた周囲の意見を聞きながら色々と調べてまわり、自分たちの体験談を交えた実感の持てるニーズと、これに応えるサービスがよくマッチしていたからだと記憶しています。
皆さんがこれから経験することはチームそれぞれだと思いますが、ぜひ楽しむ気持ちも忘れずキャリア甲子園に挑戦してほしいと思います。

ー確かにぐーふぉは自ら各所へ足を運んで色々調査していましたね。

2021年大会に参加する皆さんも東京電力のテーマを自分ごと化していただき、自分ならこう取り組む、みんなが喜ぶのでぜひ東京電力にこんなサービスを世に出してほしいといったことを、自由な発想で提案していただけたらと思います。
家族や学校など、身近なところを含め、みんなが積極的に取り組んでいくためにはどんなことが必要か。その先に、持続可能な社会が待っているのです。この機会に、カーボンニュートラルについて一緒に考えてみませんか、という私たちからのお誘いだと思ってくれると嬉しいですね。

2020年大会総合優勝ぐーふぉと。東京電力代表チーム、2連覇なるか!?

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