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挑戦と冒険へ立ち向かう高校生たちへ
shallmが大会テーマソング「夢幻ホログラム」で届けるエール
第11回マイナビキャリア甲子園では、バンドプロジェクトshallm(シャルム)の「夢幻ホログラム」が大会テーマソングに決定。大会に参加する、全ての高校生にエールを送ります。
本インタビューでは「夢幻ホログラム」に込めた思いをはじめ、今回の大会テーマ「Be Adventurers ―冒険者であれ。」にちなみ、shallmのボーカルliaさんの“冒険”エピソードをお伺いしました。
壁にぶつかったときはどうすればいい?目標を達成するには何が必要?冒険していく中で、失敗や試練に道を阻まれることはきっとあるはず。みなさんと同じように道を切り開いてきたliaさんに、自身の経験を踏まえて夢や挑戦との向き合い方をお話いただきました。
お話を伺った方
shallm(シャルム)・liaさん
shallmは、自ら作詞・作曲を手掛ける19歳のボーカル・liaによるバンドプロジェクト。2023年3月に初のオリジナル曲「夢幻ホログラム」を配信リリース。第11回マイナビキャリア甲子園の大会テーマソングになっている。艶やかで力強い歌声と心に残るキャッチーなメロディ、洗練されたバンドサウンドで魅了する。
学生時代に始めた作詞・作曲
とにかく歌うことが好きだった
ーshallmの初のオリジナル曲「夢幻ホログラム」が第11回マイナビキャリア甲子園の大会テーマソングになっていますが、まずはliaさんがどのように音楽活動を始められたのか教えてください。
lia:幼い頃からとにかく歌うことが好きだったので、将来は歌を歌いたいとずっと思っていました。家族でカラオケの長時間パックで歌うのが幼少期の私の楽しみだったことや、学生時代にギターに触れたり、作詞作曲を始めたことが音楽を始めた主なきっかけだったと思います。
ー学生時代はどのような音楽を作っていたのでしょうか?
lia:私のルーツはボーカロイドなので、ロックとボーカロイドの融合を目指して音楽を作っていました。ボーカロイドとの出会いがいつだったかは記憶が曖昧なのですが、家族がパソコンで聴いていたボーカロイドにすごく感動して、以来、すっかり夢中になりました。それまで私の家で流れていた音楽は洋楽が多く、馴染みのない外国語だったこともあって、ただの“音”として感じていたんです。でも、ボーカロイドで初めて日本語の音楽に触れて、日本語ロックのかっこよさに強く惹かれていきました。
ー学生時代から作詞と作曲も行われていたそうですが、楽曲制作のハウツーはどのように身に付けていったのでしょうか?
lia:バンドで曲を作ることになった際に、私が作詞作曲を担当することになったんです。当時は知識も全くなくて何も分からない状態だったので、まずは検索エンジンで曲の作り方を調べることから始まりました。いろんな学び方がある中でも、私のようにネットで調べていくのは、結構、今っぽい始め方なのかもしれません。
ー曲を作る際に軸にしているものやこだわりはありますか?
lia:自分で作って歌ってみたものを聴いてみて、楽しいと思えるかどうかをいつも大切にしています。私が楽しいと感じられなかったら、きっと聴いてくれる人たちはもっと楽しくないはずなので、自分自身が楽しいと思えるまで作り直しています。私の言う「楽しい」は、美しいものを見て美しいと感じたり、感動したりできるかなどを全て丸めて「楽しい」という言葉で表現しています。この感覚はすごく大事にしています。
ー音楽について話しているときのliaさんの笑顔を見ていると、楽しみながら作っているんだなと伝わってきます。
lia:日々、言葉を探したり、メロディーを探したりするのが本当に楽しいんです。楽しいと感じるたびに、この職業で良かったと心から思います。もちろん行き詰まってしまうことも時にはあります。でも、デビューしてから私の歌を聴いてくれる人が増えたので、自分のために音楽を作るというよりもみなさんに喜んでもらえる音楽を作りたい、音楽に込める思いを強く訴えていきたいと感じるようになりました。
ー好きなことを指針にして自身の道を見つけて来られたように感じますが、高校生のときってやりたいことが見つからなかったり、将来や進路に悩んだりすることもありますよね。
lia:将来に悩む気持ち、すごく分かります。でも、やっぱり「好き」という力は強いと思うんですよね。私の好きな言葉の中に「好きこそ物の上手なれ」があります。好きという気持ちは揺るがないし、物事を続けていく力や決断の後押しになります。小さくて些細なことであっても、きっと誰にも「好き」と思える何かがあるはず。自分の「好き」をぜひ貫いていってほしいです。
路上ライブという「冒険」から得たもの
自分の「好き」という気持ちを信じたから、今がある
ー第11回マイナビキャリア甲子園の大会テーマは「Be Adventurers ―冒険者であれ。」なのですが、これまでに冒険的だったと感じる出来事はありましたか?
lia:shallmのファーストワンマンライブが決まったとき、どうしても憧れの米津玄師さんが初ライブをした代官山UNiTのステージに立ちたかったんです。当時まだ知名度も足りていない私がその箱を埋めるためにどうすればいいのか、たくさん悩んで考えました。まずは、歌を聴いてshallmを知ってもらう機会を作る必要があったので、路上ライブをすることにしました。楽しかったのですが、辛かったと言えば辛かった。いつもとは違う環境で、路上で知らない人に聴いてもらうことに対し、少し怖いと思う気持ちがあったんです。試行錯誤しながらも初めてのワンマンライブで米津さんと同じ舞台に立つことができ、目標を達成するために考えた時間や行動は今でも大きな支えになっています。また、私の中にこんなにも強い野心や野望があるんだとこれまで知らなかった自分の一面も感じられて、すごく冒険的でいい経験だったと強く心に残っています。
ーその冒険から何を学びましたか?
lia:どうしようと迷ったときは、行動した方が絶対に自分のためになると感じました。自分が後悔しない方を選ぶべきなんだ、と。以前は、苦手だとか、できないだとか口にしてしまうことも少なくなかったんですが、言葉に出して自分に言い聞かせてしまったら、きっと一生できないままになってしまう。なので、今では自分の可能性を狭めるようなことは言わないようにしています。
ー冒険していく中で、たくさんの失敗や成功に出合うことかと思います。今までにどんな成功体験がありましたか?
lia:ずっと音楽の道に進みたいと考えていたんですが、高校卒業後の進路を考え始めた17歳のときに改めて将来の夢と向き合ってみたら、音楽で食べていくことの難しさが身に沁みて分かってきました。先生に進路相談をすると「音楽で食べていくなんて茨の道だよ」「就職しても音楽はできるよ」と言われて、確かに先生の言うことも正しいなと感じたし、今の自分はそのレベルなんだと受け止めなければならないと思いました。だけど、やっぱり私には音楽以外やりたいことが見つからなかったんです。茨の道であろうと何であろうと、もういっそのこと全部捨てる覚悟で自分が進みたい方向へ歩もうと決めました。今では音楽の道を選んで良かったと心から思いますし、自分の「好き」という気持ちを信じられたことが私にとっての最大の成功体験だったと感じています。
ー時には壁にぶつかることもあるかと思いますが、どのように乗り越えていますか?
lia:1年前の今日ってどんなことで悩んでいただろう?と考えても、パッと思いつかないことが多いと気付きました。だから、たとえ今、何か大きな壁にぶつかって辛かったとしても、きっと1年後には乗り越えられている自分がいると信じて前へ進むようにしています。
大会に出場する高校生のみなさんに、思いを込めて
「夢幻ホログラム」で一緒に力を合わせられたら
ー大会のテーマソングになっている「夢幻ホログラム」は曲名も印象的ですよね。
lia:shallm初のオリジナル曲だったのでたくさん考えて決めました。オリジナル1曲目は決意表明のような曲にしたかったので、夢幻という言葉が持つキラキラとしたイメージから「きらめくステージに辿り着きたい、いつかそこに立って歌いたい」という思いを表現しています。
ー「夢幻ホログラム」の制作時、アイデアに繋がったものはありましたか?
lia:Adoさんのライブを観に行ったときに目にした情景がインスピレーションになりました。ペンライトの青色の光がバーっと会場に広がっていてすごく綺麗だったのですが、それをステージの上から見たら、海みたいでもっと綺麗なんだろうなって。私もキラキラした景色を見てみたい。そんな思いを「胸が鳴ったあんな世界を見てみたいの」という歌詞をはじめ、1曲に込めました。
ー「変わらない景色に焦り始めたり」という一節に共感しました。ご自身の経験を反映して作詞されているのでしょうか?
lia:高校時代、同級生はみんな大学進学を目指して忙しそうなのに、私だけ同じ場所で止まっているように感じたんです。今でも周りと比べてしまうことが時々あるのですが、そのたびに「結局、自分は自分だから」という原点に戻ってきています。だって、私は自分のことしか分からないし、他人のことは分からないから。それに、きっとみんな辛い気持ちを隠して頑張っているんだろうなとも思うんです。
ー「今歩いてる道は本当に正しいかな?」という歌詞も胸に響きました。
lia:自分で悩んで考えて選んだ道ならば、どんな結末になろうときちんと納得ができる気がします。もし失敗したとしても、自分自身で悩んで導き出した結果は自分のためになりますし、必ず得られるものがあるはずだと信じています。
ー大会テーマソングとしての意気込みを聞かせてください。
lia:学生時代に書いていた歌詞なので、みなさんと通じるところがあるかと思います。夢や未来を掴もうとしている学生のみなさんが、「夢幻ホログラム」という一つの曲を通して一緒に力を合わせられたらとても嬉しいです。
気付いたらあっという間に過ぎてしまう3年間
小さな目標も1個1個全て全力で
ーところで、liaさんがどのような高校生活を送っていらっしゃったのか気になります。
lia:どちらかというと人見知りだったのですが、「人見知りだと思うから人見知りなんだ」と気が付いて、今では積極的に人と関わるようになりました。まだ頼りなさそうに見えるかもしれないですけど、これからも人との出会いや交流の機会を逃さないようにしていきたいです。
ー高校時代の自分に伝えたいことは何かありますか?
lia:友だちとの関係をもっと積極的に築けていけたら良かったかもしれないとは感じます。高校の3年間って、当時の私は一生続くものだと思っていたんですよ。でも気付いたらあっという間に過ぎてしまっていて。学生時代を終えると、毎日会って話せる存在がそばにいるというのはそうそうあることではなくて、学校という環境は恵まれていたんだなと今になって実感しています。高校生の私に、人見知りの自分にはできないと決めつけずに友だちと頑張って話してみてと伝えたいです。高校生活の中で一生の友だちと出会うかもしれないし、会話したことのない人が実は一番の理解者になってくれるかもしれない。当時の自分にも伝えたいんですけど、みなさんもぜひ友だちとの交流を深めていっていただけたらと思います。
ー今後の目標はありますか?
lia:高校時代の私が今の姿を見たら「すごく変わったね」と驚いて、成長した自分を嬉しく思うはずなので、この先も高みを目指して、もっと大きいステージに立ちたいです。
ー次なるステージに上がるために実践していることはありますか?
lia:小さな目標であっても、そのひとつひとつを、全て全力で取り組むようにしています。いつまでにこれをやる、いつまでにこのステージに立つなど、目標までを逆算して、今すべきことは何なのかを習慣的に考えています。
ー常に目標を見据えて動いていらっしゃるんですね…!
lia:1日さぼると1週間さぼる、1週間さぼると1年さぼると思っているので、毎日考えて行動に移すようにしています。
ー今のliaさんを形成しているものって何でしょう?これまでに影響を受けたものや人がいたら教えてください。
lia:アニメが好きでよく見ているのですが、物語の主人公って、夢や目標を持って生きていたり、終着点やゴールを見据えて動いていたりするじゃないですか。何度も試練や困難が押し寄せて、私が辛いと思うことより何倍も苦しい体験をしているのに、どんなときもくじけることのない姿に尊敬しますし、自分も頑張ろうと励みになります。身近な存在でいうと、親から受けた影響は大きいかもしれません。直接教えてもらったわけではないですが、行動する力や考え方は、親の姿勢を見て「かっこいい」と感じて自然と身に付いてきたものである気がします。
ーliaさんの思う「かっこいい」とは何でしょうか?
lia:「かっこいい人ってどんな人だろう?」と私もよく考えるんですけど、それはすごく小さいところにいつもある気がします。例えば、眠いときにお風呂に入ろうかどうしようか悩んでいたとすると、かっこいい人なら睡魔に負けそうなときでもきっと入る選択をすると思うんです。そういう細やかなところにかっこいい基準ってある気がしています。そして、かっこいいか、かっこよくないかが、自分が物事を選択するときの基準になっています。この言葉を言うか言うまいか迷ったときに、かっこよくないなと感じたらやめますし、胸を張って言えるようなら口にします。そんな小さな積み重ねをしていったら、だんだんかっこいい自分に近づいていけるのではないかなと思います。
ー最後に、第11回マイナビキャリア甲子園に挑戦する高校生に応援メッセージをお願いします。
lia:参加されるみなさんは熱い気持ちを持って挑んでいらっしゃると思いますが、出場するというその一歩に至るまでにすごく悩んだはずですし、今も優勝を勝ち取るために自分自身の力で考えていることがたくさんあると思います。どんな結果になったとしても、大きな一歩を踏み出したこと、そして、大会で感じたことや目にしたもの全てがみなさんのこれからの糧になっていくはずです。大会テーマソングの「夢幻ホログラム」を通して少しでも支えになれたら嬉しく思います。大舞台へと踏み出したみなさんを陰ながら応援しています。
第11回 マイナビキャリア甲子園 公式テーマソング「夢幻ホログラム」