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アート引越センター テーマ解説インタビュー

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第11回マイナビキャリア甲子園に初めて参加する「アート引越センター」。引越しを経験したことがある人とそうでない人で「引越し」のイメージは大きく異なるかもしれない。「引越し」とは人生の転機に伴う行事であり、考えてみると奥が深く、様々なアイデアが出せそうだ。このインタビュー記事を読んで、どんなことができそうかな?と考えてみてほしい。(取材執筆:羽田啓一郎)

 

お話を伺った方

伊藤 大輝さん

高校時代サッカーに没頭し、体力に自信があったので引越しのアルバイトを始める。引越しの仕事にやりがいを感じ、そのまま引越し業界で就職を決めた。お客さま宅で引越作業を行う仕事や配車を担当する仕事を経験したのち、昨年からお客様相談室の部署で、お客さまの対応や法務関連の仕事に従事している。

久山 莉穂さん

通学時間が長かったため高校時代は部活などの課外活動ができなかった。大学に進学してからは飲食店でアルバイトをし、接客の仕事が好きになる。人と話すのが好きで、人生の節目に関わることが出来る引越しの仕事に興味を持ち、アート引越センターに入社。お客さま宅でお見積りをする営業を経験した後、現在はその営業を指導する営業推進の仕事を担当。

引越しという文化を作ってきた、アート引越センター

ー本日はよろしくお願いします。アート引越センターは今年初めてマイナビキャリア甲子園に参加されますが、どういう会社なのか、教えていただけますか?

伊藤:よろしくお願いいたします。アート引越センターは「引越し」をサービス業として日本で最初にはじめた会社です。今から約50年前、それまで引越しは運送業者が片手間で「家財を運ぶだけ」のものでした。そんな時代に日本で初めて引越し専業の会社として誕生したのが、当社です。ただ単にモノを運ぶだけでなく、そこに“サービス”という概念を持ち込んだのです。

“サービス”とは例えばどういうことでしょうか?

久山:引越しを経験したことがない方はなかなか想像がつきづらいかもしれませんが、一言でお伝えすると、引越しをもっと便利に、快適にすることです。そもそも当社が引越を始めたきっかけは、雨の日に屋根のない平ボディの車に積まれた引越の家財が濡れてしまっている様子を見て、自社の箱型コンテナ車ならば濡れないでお客さまの家財を運べるのにと気づいたことからでした。創業当時は、お客さまご自身が荷造りをして、大きなご家財もご自身で玄関先まで運んでおいてくださいというのが一般的でした。そこで私たちは、引越しの際の荷造り・荷解きを引越会社が行うサービスを業界で初めて開始したんです。
その他にも、輸送中に家具についた虫の駆除をトラックコンテナ内で行う「走る殺虫サービス」や、新居を汚さないようにスタッフが新しい靴下に履き替える「クリーンソックスサービス」など、大きなものから細かいものまで、数多くのサービスを導入しています。

ーなるほど・・・。引越しの際に当たり前のようにやっていただいていることは実はアート引越センターが始めたことなんですね。

伊藤:私たちが始めたことは引越し業界だけではなく、例えばクリーンソックスサービスは家電量販店の荷物配送など、他の業界にも広がっています。そもそも引越しとは住む家を変えるだけではなく、進学、就職、結婚、出産、転勤など、お客さまの人生の節目に行われることが多いです。つまり引越しで運ぶのは生活そのものであり、大切にしてきた思い出や夢といった形にならない“想い”なのです。お客さまの新生活のスタートがワクワクするものであって欲しい、私たちはそんな想いで「モノを運ぶ」だけでなく、お客さまの生活そのものをお運びするという信念を持って、心のこもったサービスで新生活のお手伝いをしています。

アート引越センターのテーマ出題の意図とは?

ーありがとうございます。それではここからはマイナビキャリア甲子園に出題されたテーマ出題の意図について教えてください。

伊藤:先程もお話しした通り、世の中に引越しサービスが存在しなかった時代に、お客さまが「あったらいいな」と思うようなサービスや資材、引越し専用車両などを生み出してきました。しかし、時代の変化のスピードが上がっている中で高校生の皆さまがどんなことを考えているのか、そして皆さまがどんなことを「あったらいいな」と思っていらっしゃるのかを知りたいと思って今回のテーマを出題しました。

久山:一般的に、人が人生で引っ越しをする回数は多くて4回程度と言われています。私たちは、0123引越文化研究所(https://www.the0123.com/kenkyu/)という研究機関を持っているのですが、そこで昭和・平成・令和でそれぞれの一人暮らしアンケートを行いました。すると、平成までは一人暮らしを始めたきっかけは、「進学」が多かったのですが、令和は「就職」が多かったという結果が出ました。人生の節目になるような進学や就職といったイベントは、昔と変わらなくても、それに伴うライフスタイルは時代によって徐々に変化していますし、これからは技術の進化によってもっと加速していくと思います。今回のマイナビキャリア甲子園のテーマでもある「Be Adventurers」。大きく変わる時代の中を冒険するような新しいアイデアをどんどん考えてみてください。

ー時代の変化に伴った取り組みとして、アート引越センターではどのようなことをされているのですか?

久山:近年、サステナビリティへの意識が社会全体で高まっていますよね。そうした動きに対応して私たちも紙を使わないで食器を梱包できる梱包資材「エコ楽ボックス」を開発しました。そして私たちはデジタル、つまりITの活用やDXにも力を入れています。ITの活用によって業務が効率化できれば、より一層お客さまに寄り添ったサービスの提供に注力できますしね。

伊藤:ただ、どれだけIT技術が進化しても、引越しスタッフの手で家財をお運びするという引越しの基本が変わることはありません。これから100年先も「人の手」によってサービスの提供が行われていると私たちは考えています。そして実はこれは日本人の精神性とも似ている部分があります。引越しサービスは海外では珍しく、日本で独自進化をしているビジネスです。転勤制度や住居が狭いからという理由もあると思いますが、お客さまの「あったらいいな」を叶えていく姿勢は日本人だからこそなのかもしれません。人生をお運びする引越しだからこそ、人の気持ちのこもったサービス精神を忘れないでいたい。そこは今回マイナビキャリア甲子園に挑戦する高校生の皆さんも忘れないでほしいです。

アート引越センターのアイデアを考える上でのヒント

ー今回高校生の皆さまに考えてもらうビジネスアイデアは、「引越し」ではない新事業でもいいのでしょうか?

伊藤:それは自由ですし、アート引越センターの経営資源を生かしていただければ引越しではないアイデアでも構いません。私たちは車両を全国で約4,000台保有していますし、先程ご紹介したようなハードを開発する開発機能も保有しています。またアートバンラインという物流を支援する会社や、保育園の経営をしているアートチャイルドケアというグループ会社もあります。そうした経営資源を使って自由に考えてみてほしいですね。

久山:自由に発想いただきたいですが、実現性に乏しいものは今回対象外とさせていただきます。例えば瞬間的に空間を移動する…といったまだ現実的には難しい技術はNGですね(笑)。私たちが創業時から大切にしている「反省と挑戦」というスローガンがあります。お客さまが必要としていることに耳を傾け、実行する。その挑戦が評価いただけていないならば何が駄目だったのかを反省し、また挑戦する。この繰り返しが、今のアート引越センターを作ってきたと思います。こうしたアート引越センターが大切にしてきた考え方を踏まえた上で、お客さまの不安や苦労を軽減し、ワクワクできるようなビジネスを自由に考えてみてください。もちろん、引越しに関するサービスでも構いません。

ーそれでは最後に、高校生の皆さんにメッセージをお願いします。

伊藤:アート引越センターでは、社員一丸となってチャレンジしています。高校生の皆さんの意見やアイデアも吸収して、一緒によりよい社会を作っていきたいですね。個人的には、私の娘が来年高校生になるので、先輩になる皆さんのプレゼンテーションを見て彼女が「私もマイナビキャリア甲子園にでたい!」と思ってもらいたいなと思っています(笑)。

久山:引越しは、高校生ですとまだ経験していない方も多いかもしれませんが、今後の人生の節目節目で経験することです。引越しという世界で、アート引越センターが、何もないところからチャレンジしてきた会社だということを知ってもらえると嬉しいですね。私たちは「反省と挑戦」を繰り返しながら、もうすぐ50年を迎えます。ただ一方で、引越のことを考え続けていたので、新しい視点や柔軟な発想ができてないかもしれない、という危機感もあります。高校生の柔らかい頭でアイデアをいただけたら嬉しいなと思っています。

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