テーマ解説2025

コスモスイニシア テーマ解説インタビュー

今年初参加となるコスモスイニシア。高校生にとってはまだ馴染みがないかもしれないが、誰にとっても生活の基盤となる「住まう」「働く」「遊ぶ」など空間を扱う不動産事業を展開している企業だ。自分の生活に深く関わりがありつつも自由度が高いテーマなので、考えてみるとワクワクするアイデアがたくさん出るだろう。このインタビューをヒントにぜひ考えてみてほしい。(取材:羽田啓一郎)

お話を伺った方

岸本泰明さん

愛知県出身。中高一貫の男子校で、高校・大学時代はラグビーに汗をながす。実家の建て替えで間取りを考えるのが楽しく、中学の時から建築に興味を持ちはじめていた。大学では建築系、特に都市デザインを専攻。その後、六本木など都市開発が進んでいた東京でさらに学びたいと考え、都内の大学院に進学した。
自分のやりたいことがやれそうな会社だと感じコスモスイニシアに就職。営業からキャリアをスタートさせ、一棟リノベーションマンションなど新規ビジネスの立ち上げも経験した。

後藤瑠那さん

静岡県出身。高校時代はボート部でプレイヤーとして3年間汗をながす。元々友達を家に招くのが好きで、ホスピタリティ精神を活かせるのではないかと考え観光学を専攻。大学ではヨット部でプレイヤーもマネージャーも経験した。大学院に進学しようと思っていたが、練習のつもりで始めた就活でコスモスイニシアに出会い、考え方などに共感して入社することに。マンションの販売や商品企画を担当し、その後人事の仕事に就く。

不動産領域で新しいビジネスにチャレンジする会社

ー本日はよろしくお願いいたします。まずは、コスモスイニシアとはどのような会社か教えてください。

岸本:私たちコスモスイニシアは不動産業界に属する企業で、マンションなど住まいの開発を中心に事業展開をしています。また住まいだけではなくホテル開発などの宿泊事業や、アウトドアリゾート、シェアレジデンスなど、多様な事業を展開しています。共通するのは、「空間を通じて人の暮らしに新しい価値を届ける」という姿勢です。

後藤:一言で申し上げると不動産領域で新しいビジネスを考え、チャレンジをしている会社だと思っていただけるとわかりやすいと思います。これまでも不動産を軸にしながら新しいことにチャレンジしてきましたが、これからは更に積極的に新しいことに挑戦しようとしています。

ーこれからますます新しいことにチャレンジするのですね。それはなぜなのでしょうか?

岸本:社会変化とそれに伴う人々の生活習慣、行動パターンが大きく変わってきているからですね。わかりやすい例でいうと2020年からのコロナ禍によって一気にリモートワークが普及しました。高校生の皆さんも、学校の授業をオンラインで受ける機会があったでしょう。それまでは家は「住む」ことを中心に据えた設計になっていましたが、リモートワークの登場によって「働く」「遊ぶ」その他の多様な価値観も必要になってきています。とはいえ、実は当社は共働き世帯の増加を踏まえて、「どこでも働きやすい環境を作る」というコンセプトをコロナのずっと前、2014年から取り組んでいました。時代環境が変われば、人々のニーズも変わりますし、家の作り方も変わっていくのです。

社会変化に対応していく、コスモスイニシア

ー具体的にはどのような変化があったのでしょうか。

後藤:最近建った新しいマンションは共用部が増えています。共用部で仕事ができるスペースが設けられている物件もあるのですが、そうした空間はやはり家の中では仕事がやりづらい方に利用されています。家の中では仕事がやりづらい方に利用されています。これまではカフェに行って仕事をする方も多かったですが、カフェは混んでいたり雑音などで集中できないことも多い。カフェまで行かなくてもマンションの共用部に行けば快適な環境で仕事ができるのです。

岸本:「働く」以外にももっと住空間に「遊び」の要素が入ってきても良いと考えています。すでにある事例として特徴的なのは、マンション共用部にボルダリングの設備があって利用することができたり、DIYが趣味の方用にDIYスペースがある物件もあります。家の中でDIYをやっていると音が大きく出てしまって家族に気を使わないといけませんからね。

ー「住まう」以外の用途を融合させるのは面白いですね。たくさんのアイデアが出そうです。

岸本:もちろん「住まう」もいろいろと変化があります。例えば家族の形態は大きく変わっていますよね。パートナーとの2人世帯、シングル向けの物件も増えています。また家賃を抑えるためにシェアハウスに住むという若い方もいらっしゃいますが、最近はオトナ向けのシェアハウスも登場しています。これはオトナ同士がゆるやかな繋がりを持つことを目的としていて、コミュニティとしての機能があるのです。

ーありがとうございます。ではコスモスイニシアのマイナビキャリア甲子園のテーマについて教えてください。今回のテーマ設定にした理由、背景を教えていただけますか。

後藤:ここまでお話ししたように、当社は不動産を中心に新しいビジネスを仕掛けている会社なのですが、今、社会にはさまざまな課題が存在します。そうした課題に対して私たちができることは何なのか、マイナビキャリア甲子園の高校生の皆さんと一緒に考えていきたいのです。面白い事業アイデアがあれば実現についても本気で検討していきたいですね。

岸本:不動産にまつわる社会課題として大きいのは人口減少に伴う空き家の増加や建物の老朽化、そしてそこから引き起こされる人間関係の分断、孤独などが挙げられます。皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、今日本では世帯数よりも家の数の方が多いのです。また人口減少が深刻化する中、外国籍の方の移住の増加も想定されます。すると家の建物の在り方に海外の文化が入ってくるかもしれません。実際、日本の家や部屋は外国人からすると狭いと思われています。また住まい方として2拠点居住等をされている方も増えてきていますが、行政サービスはじめ各種ルールが未対応だったりします。こうした課題に対してどのように対応していくのか、皆さんのアイデアのヒントになるかもしれません。

岸本:当社はESG経営にも力を入れています。ESG経営とは「環境(Environmental)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance:企業統治)」を重視し長期的で持続可能な成長と企業価値向上を目指す経営方針のことです。ESGという言葉が広く使われる前から当社は環境に配慮した取り組みを行なっています。例えば海で拾った海洋ゴミをアップサイクルして装飾用のタイルにしてマンション室内の内装に使用しています。他にも奥多摩の間伐材を使って制作したキーホルダーをご契約者さまにお渡しして、奥多摩の森林の現状を認知いただく活動もしています。このように、高校生の皆さんに考えていただくアイデアは、当社の利益だけにつながるビジネスではなく社会課題を解決して皆さんのためにもなるようなアイデアが望ましいですね。

コスモスイニシアのテーマに取り組むヒント

ーテーマに取り組むにあたって、大事にしてほしいポイントはありますか?

後藤:私たちが大切にしているのは、「Next GOOD」という考え方です。これは、お客さまや社会の期待を超える安心や喜びを届けるために、一歩先の価値を創造し続けるという姿勢を表しています。また、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という行動指針のもと、社員一人ひとりが主体的に価値を生み出すことを大切にしています。既存の枠に捉われず、「新しいあたりまえ」を皆さんと一緒につくっていきたいですね。

ー逆にこういう考え方は評価することが難しい、などありますか?

岸本:当社は中規模な開発・リノベーションを多く手掛ける不動産会社なので、街全部や路線を丸ごと作り変える、というような考え方だとコスモスイニシアらしくないといえます。先ほどもお伝えした通り、良いアイデアは事業化を検討したいので実現性が低いアイデアは評価が難しいかもしれません。

後藤:再開発も手掛けているのですが、何十年とかかるため、地域全体の再開発という考え方も夢物語になってしまうかもしれません。なので、皆さんの周りに建つような建物をイメージしていただき、そこを中心に盛り上げるような考え方を大歓迎します。当社はコンセプトを大切にしている会社なので、建物にどのような付加価値をつけるかをぜひ考えてみてください。

ーありがとうございます。それでは最後に、高校生の皆さんにメッセージをお願いいたします。

岸本:高校生の皆さんは将来やりたいことについて考える機会も多いと思います。やりたいことが既にある人はそれにむかっていけばいいと思いますが、まだやりたいことがない人はまずはいろいろな大人に会いに行ってみてください。行動を繰り返していれば世界が広がります。やってみれば自分に向いているのかどうかもわかってくるので、まずはアクションを起こしてみてください。
また、働くことを苦行だと思っている方も多いかもしれませんが、仕事を通して自分も成長して社会のためにもなるのが仕事です。仕事は楽しいです。前向きに頑張ってください。

後藤:自分自身も会社員として働いていますが、実は働いてるという感覚はあまりありません。自分が楽しいと思っていることをやっているという感覚に近くて。今の仕事が楽しいと思えているのは、毎日仲間とやりとりしながら過ごしているからなのですが、そのような時間が好きだと自分で気づけているのは、高校時代、部活に打ち込み、仲間と一緒に精一杯やり切ったという経験が大きいと思います。将来のことやキャリアのことを考えるのも素晴らしいことですが、自分が今何を一番大事にしたいか、何にコミットするかを考えてみてください。マイナビキャリア甲子園に参加する高校生の皆さんとお会いできるのを、とても楽しみにしています。

 

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