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セコム テーマ解説インタビュー

マイナビキャリア甲子園2022に初参加し、テーマを出題したセコム。CMはもちろん、家の玄関にセコムのステッカーが貼ってあるのを見たことがある人も多いのではないだろうか。セキュリティを通して私たちの生活を守っている会社、そう思っている人も多いかもしれないが、そのイメージはこのインタビューを読めば覆るはずだ。キャリア甲子園攻略の重要なポイントも語ってもらっているので、ぜひ読んでほしい。(取材:羽田啓一郎)

お話を伺った方

沙魚川(はぜかわ) 久史さん

幼い頃から新しいものが好きで、小学生の頃からプログラミングを始める。既存の物事を覚える歴史が苦手で、それよりも新しい物事を作りたい、と考えて理系のモノづくりの道へ。大学院の研究は終わりがなく、研究を続けるうちに四つの大学院を卒業している。日本のGDPの70%はサービス産業なのに工学的には確立されていないところが面白いと思い、サービス産業で研究所を持っているセコムに入社を決めた。現在、セコムのオープンイノベーション活動の代表者を務める。

■セコムの強み、特徴とは?

ー今日はよろしくお願いします。まずセコムのことについて教えていただきたいのですが、日本にはセコム以外にも警備の会社は色々あります。その中でセコムの強み、特徴は何になるのでしょうか?

沙魚川 :よろしくお願いします。セコムは確かに警備、セキュリティの会社だと思われていることが多いですが、実はセキュリティだけをやってる会社ではないんです。防災事業やメディカル事業などもやっていますし、セキュリティ事業の売上は実はセコムグループ全体の約半分なんですよ。

ーそれは知りませんでした・・・。不審者などがいた時などの警備をやっている会社かと思っていました。

沙魚川 :そうですね、様々な事業をやっていますが一言で申し上げると、セコムは「『安全・安心』を社会にお届けする会社」ということになるかと思います。セコムは1962年に日本で初めての警備保障会社として創業し、創業時は皆さんが想像している通りの“警備をする会社”でした。当時は警備員が各所を巡回して安全を確認する、ということをしていたのですが、それでは限界がある、とすぐに気づき、創業4年目にはセンサーとネットワークを活用し始めたのです。当時、1964年の東京五輪が開催された後のタイミングでした。

ーセンサーとネットワーク、というと?

沙魚川 :それまでは多くの警備員を配置していたのを、お客様施設にセンサーを設置することで、センサーが変化を察知し、それをネットワークに乗せて監視センターに集約することに成功したのです。これによってより広い範囲に対して正確に、そしてスピーディーに動くことができるようになりました。

ーつまり創業当時からテクノロジーによってビジネスを変革していた、ということですね。

沙魚川 :そうですね、さらには、センサーとネットワークの技術は他の事業にも活用しています。たとえばメディカル事業でいうと、詳しい診断医がいなかったり、すぐに病状を判断できないような状況下で、検査は各地の医療機関で行い、そのデータをネットワークに乗せてセコムが画像診断するというようなサービスを展開しています。

他にも、日本の地図は国土地理院というところが発行していますが、その地図の大元の地図データは、セコムグループで地理空間情報サービス事業を手掛けるパスコが提供しています。皆さんが普段ご覧になられている地図は、パスコが衛星、航空機、車両、ドローンなどを使って作成した地図データが元になっているんです。

また、セコムグループは国内最大規模のデータセンターも持ってます。このようにセコムは様々な技術を駆使しているテクノロジー企業なんです。

セコムがマイナビキャリア甲子園2022のテーマに込めた思い

ーセコムがテクノロジーを起点とした企業であることがよくわかりました。ではそんなセコムがどうしてマイナビキャリア甲子園にテーマを出題しようと思ったのでしょうか?

沙魚川 :私たちは、常に新しい当たり前を作りたいと思っています。創業当時の、「人が宿直して警備するのが当たり前」だった時代に、私たちはセンサーを使ったセキュリティという新しいサービスを作ってきました。近年も、たとえば、AEDの普及を進めてAEDがどこにでもあることが当たり前の世界を作ってきたのです。これから先も、技術の変化、環境の変化で社会の常識や暮らしはどんどん変わっていくでしょう。そこで今回、新しい当たり前を生み出すために「未来サービス」について、高校生の皆さんと一緒に考えたいと思い、テーマを設定しました。

ー遊び心、という言葉が入っていますね。これにはどういう意図があったのでしょう?


沙魚川 :私たちはテクノロジーを活用したサービスを生み出していますが、機能として優れているだけでなく、人間の感情や感性に訴えかけるサービス開発を大切にしています。実は今回のテーマには「安全」ではなく「あんしん」という言葉を使いました。“安全”とは危険がない“状態”を指します。一方、安心は気持ちの問題。安全じゃなくても安心している人はいるし、安全でも安心しない人もいます。

ー確かに窓を開けて寝ていても平気な人もいれば、完全に全て鍵をかけても心配な人もいますね。安全と安心は違う、と。

沙魚川 :安全に関してはセコムは得意だと思っています。しかし、そこを追求することは終わりがなく、イノベーションとはいえないかもしれません。しっかりした安全のもとで、一人ひとりのお客様の安心、心の満足を生み出すために、私たちはサービスを通じた「体験」を重視しています。うれしい、たのしい、心地いい、といった感情の変化を生み出したいと思っているんですね。“便利な機能”ではなく、人間の感情に訴えかけてほしい。そこでこの“遊び心”というキーワードを使ったのです。

ー安全と安心の違い、そして遊び心という言葉が入った意味、想像以上に深かったです。人の感じる「あんしん」をどう定義するか、ここがポイントになりそうですね。

沙魚川 :そうですね、便利さ、という機能だけではなく感情が動くかどうか。私たちはAIを活用したバーチャルキャラクターによるセキュリティシステムも開発しているのですが、同じ技術を使って人気漫画・アニメ『ONE PIECE』の主人公ルフィと会話ができる「AIルフィ」もトライアルとして一般公開しました。人々が「AIルフィ」に話しかけると、ルフィらしく動きながらアニメのルフィの声で返してくれるんです。この「AIルフィ」を期間限定で渋谷に設置していたのですが、ONE PIECEのファンが「AIルフィ」に話しかけて感動して泣いていたんです。ただ単に安全だけを追求していたらこういうサービスは生まれません。私たちは安全に加えてその先にある“あんしん”という人間の感情に働きかけたい。ここはマイナビキャリア甲子園の高校生の皆さんにもぜひ注目してほしいですね。ぜひ楽しみながら考えてみてください。

高校生に期待していること

ーでは最後に、マイナビキャリア甲子園に出場する高校生に期待していることを教えてください。

沙魚川 :私たちはできるだけ多様な属性、世代とともに様々な価値観を可視化して一緒に未来のことを考えるデザインワークショップをよく開催しています。同じような価値観の人同士で考えてもイノベーションは生まれません。また、サービスを考えるときは、「解決したいこと」「変えたい現状」など課題やニーズをまず発掘して、それをどう解決するかと思考を巡らせるのがいいですね。

若い人たちの価値観や当たり前が5年後10年後の社会のスタンダードになるはずです。今回も、高校生の皆さんの価値観、この先何が困りごとになるのか、何をおかしいと思っているか、を知りたいと思いました。一緒にイノベーション起こしませんか?というセコムからのお誘いです。

ー高校生が自分たちの感覚、価値観を存分に活かしてほしい、ということですね。

沙魚川 :そうですね。セキュリティとか安全を守る!などでなくとも全然構いません。暮らしの中でのお困りごと、不満を解消し、人々の感情が動くようなサービスにできるかどうかが大切です。皆さんには少し先の未来を想像した「未来サービス」を考えてほしい。「未来」というのは、大学生になったときにーとか、社会人になったときにーとか、少し先のことで構いません。今できることにとらわれるのではなくて、想像力やイメージを働かせてほしいなという思いを込めたんです。

ただ、何の根拠もなく考えてしまうとただの妄想になってしまいます。現時点では実用化されていない技術でもいいですが、これとこれを組み合わせればできるはず、とか、現在研究が進んでいる、などの何らかのエビデンス(根拠・証拠)には基づいてほしいですね。

ー未来のことであればたとえばこれからの日本は少子高齢化社会といわれていますが、高校生にとってのサービスではなく高齢者向けのサービスを考えるのも良いのでしょうか?

沙魚川 :もちろんダメではないです。ただ、人間の感情の生々しさにどこまで迫れるかをよく考えてみるとよいかもしれません。「課題やニーズ」が大切なんだよということを申し上げましたけど、それを探索するにあたってインターネットや参考図書で調べたような情報で高齢者向けサービスを考えてしまうと意外性は全くないものになるでしょう。それよりは自分のおじいちゃんおばあちゃんに聞いた話など、そういうリアルなアイデアを歓迎したいですね。自分たち本人や知っている人たちの生の声を拾うと、より良くなります。目の前の1人を喜ばせることができるなら、それを喜ぶ人は社会にはもっとたくさんいます。ネットで見聞きした情報だけではなく、主観を大切にすると考えるのも楽しくなるはず。皆さんのワクワクするアイデアを期待しています!

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