協賛企業

J-POWER テーマ解説インタビュー

2022年大会で初参加となるJ-POWERが課したテーマはカーボンニュートラルとエネルギーの安定供給。難解だが社会的使命感の強い、やりがいのあるテーマだ。普段、あまり聞き馴染みのないJ-POWERの秘密とは?そしてテーマに込められた思いとは?日本のエネルギー問題をわかりやすく解説いただいたので、ぜひ読んでほしい。(取材:羽田 啓一郎)*この文章は2022年8月に取材した情報をもとにしています。

お話を伺った方

金谷 隆広さん

現代社会の科目に興味を持ち、幅広い社会の仕組みを学びたいと思い、理系から文転し法学部に進学。司法試験も興味があったが、新卒就活は一度しかチャンスがなく、学んだ法務知見をいち早く実務で活かそうと民間企業就職を決意。世界中で幅広くインフラ事業を展開するJ-POWERの可能性や自由な雰囲気に魅力を感じ、入社。

中野 優香さん

高校生の時は自分が何をしたいか明確にわからず、様々な分野が学べると思い政治経済学部に進学。就職活動の際は幅広く影響力がある仕事につきたい、という軸でインフラや建設業界を志望していた。その中で、海外展開もしており、活躍の幅が限定されずに自分のキャリアを築けるJ-POWERに出会い、入社。

J-POWERと他の電力会社との違い

ー本日はよろしくお願いいたします。まず、J-POWERがどういう会社なのかを教えていただきたいのですが、他のエネルギー会社と何が異なるのでしょうか?

金谷:日本には様々なエネルギー会社がありますが、J-POWERは元々国策会社として誕生している点が特徴の一つです。

ー国策会社、と言いますと?

中野:戦後、日本が復興を果たしていくためには膨大な電気が必要でした。しかし、その電気を生み出す発電所が不足していたのです。発電所を作り、電力の安定供給をしていくことは日本復興のための大きな課題でしたが、当時は民間企業だけではその力が足りませんでした。そこで国として開発が極めて困難な大規模電源(発電所)を作るために誕生したのが私たちJ-POWERです。その後、2004年には上場して完全民営化を果たしています。

金谷:そうした起源があるので、私たちは困難な使命にチャレンジする、というDNAが受け継がれています。ただ正直、高校生の皆さんをはじめ、世間一般的にJ-POWERという会社を知っている方は多くはないでしょう。

それはなぜかというと、私たちが作りだす電気は、皆さんが普段耳にされるエネルギー会社に卸売りという形で販売しており、間接的に皆さんに電気をお届けしているからです。ですので、他の電力会社をはじめとするエネルギー会社は、ライバルというわけではなくパートナーであり、お客様でもあるのです。

ーそれは知りませんでした・・・!しかし、他のエネルギー会社も自分たちで発電所を動かして電気を作っていますよね?なぜ、J-POWERから電気を買うのでしょうか?

中野:それは私たちが、競争力のある安価な電気を、大量かつ安定的に供給することができるからです。発電所を作るためには、計画から建設、完成まで、長い年月と巨額の投資を必要とするプロジェクトになります。先ほどもお話しした通り、私たちはもともと国策として誕生した企業であり、大規模な発電所を数多く開発・運営してきた結果、コスト競争力ある電気を供給することができます。したがって、他のエネルギー会社自身が作る電気に加えて、私たちの電気を購入いただくことで、結果的に負担を抑えることになるのです。

金谷:また現在、気候変動対策として、CO2フリーかつ純国産エネルギーである再生可能エネルギーに注目が集まっています。私たちの国内で保有する発電出力の約半分は再生可能エネルギーであり、国内最大級の再エネ事業者でもあります。特に、水力、風力発電の出力シェアは国内第2位を誇ります。さらには、CO₂フリー電源として重要な原子力発電所の新設計画も進めており、この分野においても、多種多様な発電事業を展開しています。普段、あまり皆さんの前には登場してこない会社ですが、社会的にも大きな役割の一端を担っているのが、私たちJ-POWERなのです。

出題テーマに込められた思いとは?

ーありがとうございます。J-POWERの特徴がよくわかりました。では今回、マイナビキャリア甲子園で設定したテーマについて教えてください。

金谷:地球規模で重要な課題となっている気候変動問題を解決するために、日本政府は「2050年カーボンニュートラル宣言」を2020年に掲げました。私たちは、電気というエネルギー供給分野で「2050年にCO₂排出量を実質0にする」という大きな目標にチャレンジしています。

ーカーボンニュートラルは最近よく耳にする言葉ですね。カーボンニュートラルの文脈で、再生可能エネルギーという言葉も最近よく聞きます。

中野:確かにCO₂フリーである再生可能エネルギーは本目標を達成する上で重要な電源です。しかし、私たちの日々の生活や社会発展を支えている「電気」というエネルギーは貯めておくことが困難である上、常に需要と供給を一致させ続けなければなりません。従ってCO₂フリーだからといって太陽光や風力にばかり頼ってしまうと、天候によって供給量が大きく左右されてしまい、安定した電力供給ができなくなってしまうのです。

ーなるほど・・・。2022年の夏は猛暑もあって電力不足が懸念され、政府が節電の呼びかけをしていましたね。

金谷:そうですね、2011年以降の日本では、原子力発電所で作っていた電力を火力発電で補完する構造でしたが、気候変動への対応を考えると、CO₂を排出する火力発電だけに頼り続けるわけにはいかない。よって、CO₂フリーの再生可能エネルギーを大量に導入し、火力発電のうち古く非効率なものは休廃止していくことが求められました。しかし、大量に導入された再生可能エネルギーのメインは太陽光であり、日が照っている時しか発電ができません。よって、日が暮れる夕方ごろから夜にかけて発電量が減少し、それを補完する発電所が不足した結果、電力不足という現象が起きています。さらに、日照時間が長い夏よりも、日照時間が短くて積雪も多い冬の方が、電力は逼迫するのではないかと懸念されています。電力の安定供給とは、本当に難しい問題なのです。

中野:カーボンニュートラルと電力の安定供給。今後の日本と世界を考えるとすぐに取り組んでいかなければならない問題です。しかしこの両立が難しい。私たちJ-POWERも日々試行錯誤を重ねていますが、マイナビキャリア甲子園に出場する高校生の皆さんの提案もぜひ聞いてみたいと考え、このテーマに設定しました。

ー単純にCO₂排出量を減らせばいい、というだけでなく安定供給も実現させていくのが難しいですね・・。ちなみに、今回のマイナビキャリア甲子園で高校生が考えるプランは、個人向けビジネス、つまりB to C(Business to Consumer)でも良いのでしょうか?J-POWERは個人向けではなく、エネルギー会社向けのビジネスだと思うのですが。

金谷:個人向けビジネスを考えて頂いても全く問題ありません。実は当社も電力ビジネスが自由化したことを機に、toC事業、小売にも進出しております。しかし、単に電気の小売を始めても、既に大規模に事業を展開されている他社に勝てるわけがありません。ですので、J-POWERは、デジタル技術等を活用しながら仮想発電所を作る等、今までになかった発想で、付加価値の高い電気を生み出すことにチャレンジしています。

高校生に期待していること

ー今回、J-POWERはマイナビキャリア甲子園に初参加です。高校生に期待していることを教えてください。

金谷:私たちの国、日本は国内資源が乏しい国です。エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っており、世界情勢や自然災害等による資源価格変動の影響を受けやすいという特徴も存在し、まさに今オイルショック以来の価格高騰という形でリスクが顕在化しています。そして同時にカーボンニュートラルという地球規模の課題にも取り組まなければなりません。重大かつ難解な課題ですが、そうした困難に取り組むことこそJ-POWERのDNAです。高校生のみなさんも改めてこの問題についてご自身で研究頂きつつ、チームメンバーと力を合わせて取り組んでもらいたいと思います。

J-POWERのことは高校生の皆さんはあまり知らないかもしれません。でも私たちは、このマイナビキャリア甲子園という場で、高校生の皆さんと一緒に将来の可能性を模索したいと考えています。

中野:私の入社2年目研修で、「J-POWERの未来を考える」という課題に取り組みました。そこで私は宇宙太陽光発電という企画を立ち上げて一生懸命に調査・検討し、同期や先輩方の前で提案しました。今回のマイナビキャリア甲子園においても、それくらい規模が大きいアイデアでもいいと思っています。もちろん、具体的な実現へのプロセスは大事ですが、ビジネスのフィールドは、海外でも宇宙でも、日本国内だけにこだわらず、スケールの大きな発想をしてみてください。

 

 

 

関連記事

TOP